検視・死体検案・法医解剖の際に,死後経過時間推定の手掛かりとなる情報が乏しく,「困ったなぁ…」という経験をしたり,「法昆虫学の有用性は理解しているけれども…」と思っている方がいらっしゃると思います。当該事例の情報をいくつか提供していただくことで,死後経過時間推定の一助となることができるかもしれません。 なお,対象者は法医実務(検視・死体検案・解剖・捜査・裁判など)に携わる方に限らせていただきます。
この試みは,昆虫学的証拠より推定した死後経過時間の推定精度の向上のために事例を収集・蓄積することを目的として,かつ,これまでの研究成果を社会へ還元する社会貢献の一環として実施するものであり,岩手医科大学とは関係がございません
すべての情報が必須ではありませんが,情報が多い方が詳細に推定できます
* | 最終生存確認の情報は,こちらの推定をお伝えするまで,敢えて伏せていだたいて構いません |
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昆虫学的証拠の採集記録票をつくってみました。基本的には,記入にあまり手間がかからず(5分以内で記入できる),かつ,法昆虫学的解析に関する必要最低限の情報が得られるものを考えてみました。余白に「有用と思われる情報」を自主的に書き込んでいただくことは大歓迎です。現時点では,主に岩手県警察の利用を想定していますが,ダウンロード・印刷し,ご自由にお使いいただいて結構です(人体図は「ご自由にお使いください。個人・商用を問いません。無料です。」と明示しているWebsiteからダウンロードしましたので大丈夫かと思います)。ご使用いただいて,建設的なご意見・ご要望をお伝えいただけると幸いです。なお,試作段階ですので,様式や記載項目など予告なく変更する可能性があります。ご了承ください。
昆虫学的証拠採集記録票と記入例(PDFファイル)Q: | 岩手県での研究なので,東北地方以外は法昆虫学的推定の適用対象外ですよね? |
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A: | 確かに今のところ北海道(札幌市以北・道東)や沖縄については,正直自信がありません。しかし,死体に入植する昆虫の多くは,異なる地域であってもヒトか生活している場所で普通に(共通して)みられる(衛生害虫・不快害虫として認識されている)ものであり,ある程度(捜査情報と矛盾しない,ないし死体所見で判然としないものについて大凡の判断基準となる程度)の推定は可能であると考えています。また,法医実務に従事されている方々に,法昆虫学で推定可能なこと(レベル)の限界を認識していただくことも大切であると思っています |
Q: | 昆虫種の正確な同定が問い合わせの前提条件ですよね? |
A: | 私も正確な同定には苦慮していますので,昆虫種の同定ができていないことを理由にご相談をお断りすることはありません |
Q: | 第三者に死者のプライバシーに関する情報や捜査情報を提供することに抵抗や不安があるのですが… |
A: | 守秘義務は遵守します。また,死者や事件の特定に繋がるような情報は,法昆虫学による死後経過時間の推定には不要ですので,情報を提供いただく必要がありません |
Q: | 相談に際して料金はかかりますか? |
A: | 現在のところ,正式な鑑定ではないので,料金は不要です。換言するなら,死体検案書ないし鑑定書に記載できるほどの根拠にはならないので,(「"自称"法昆虫学者がそう言っている」程度の)参考情報として扱ってください |
Q: | そもそもあなたは信用できません |
A: | まぁ…返す言葉もございません |
028-3694 | 岩手県紫波郡矢巾町医大通1-1-1 |
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岩手医科大学教養教育センター生物学科 | |
電話: | 019-651-5111(内線5047) |
e-mail: | saigusak@iwate-med.ac.jp(@は半角にしてください) |